媒介とは

宅建業者が依頼を受けて、契約の両当事者の間に入り、両当事者間の制約成立に助力することをいう(34条の2)。一方の依頼者の代わりに自ら契約を結ぶ代理(34条の3)とは異なる。もっとも、代理においても本法では媒介の規定を多く準用している。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

宅建業者は、売買又は交換の媒介契約[5]を締結したら遅滞なく以下の事項を記載した書面(通称、34条の2書面)を作成し、記名押印[6]して依頼者に交付しなければならない。

  1. 物件を特定するために必要な事項
  2. 売買すべき価額または評価額[7]
  3. 媒介のかたち
  4. 報酬
  5. 有効期間
  6. 解除、媒介契約違反の場合の措置
  7. 指定流通機構への登録に関する事項
  8. 標準媒介契約約款[8]に基づくか否か

物件情報を指定流通機構に登録しようとするときは、以下の事項を登録しなければならない。また、登録した宅建業者は、指定流通機構から交付される登録を証する書面(登録済証)を遅滞なく、依頼者に引き渡さなければならない。

  1. 宅地または建物についての所在、規模、形質、売買すべき価額
  2. 宅地または建物に係る都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの
  3. 当該専任媒介契約が宅地または建物の交換の契約に係るものである場合にあっては、当該宅地または建物の評価額
  4. 当該専任媒介契約が専属専任媒介契約である場合は、その旨
判例

宅建業者は商法543条に規定する他人間の商行為の媒介を業とする者でないから、商事仲立人ではなく民事仲立人であるが、商法502条11号で規定する仲立に関する行為を営業とするものであるから、商法4条1項により商人である。しかし売主から委託を受けず、かつ売主のためにする意思を有しないで売買を媒介した場合には、売主に対し商法512条により媒介につき報酬請求権を取得できるものではなく、また商法550条の適用の余地もない(最判昭44.6.26)。